『秩序を再び整へるために、騒ぎの間何処へか行つてゐた働蜂が来て、巣箱に残つてゐる蜂を結びつける。二匹の若い女王が彼等に頂かれるのだ。どれがその君主になるのだらう? それをきめるのに一匹が死ぬまで決闘をしなくてはならない。女王蜂はめい/\室から出る。そしてお互ひに、ねらひを定めるや否や飛びかゝつてゆく。背中をまつすぐに立て、顎でお互ひの触角をくはへ、頭と頭、胸と胸とを突き合はせる。此の姿勢で、めいめいにその胃袋の端の毒を持つた螫毛を少し相手の体に突き込む。だが、それでは二匹とも死んでしまふ。そんな襲撃の方法は許されない。彼等は引き分けられて退く。しかし、他の人民共は彼等を取り巻いて、飛んで行つてしまはないやうに防ぐ。彼等の中の一匹だけは降参しなくてはならない。二匹の女王蜂はもう一度闘ひはじめる。そのうまい方の一匹が、他の一匹が防ぎ損ねた一瞬間に、相手の背中に飛び乗つて、体と翅の番ひ目の処を捉んで、その脇の方を刺す。犠牲は股をつつぱつて死ぬ。それで、すべてが終るのだ。王は唯だ一つにかへつた。そして巣箱は、その秩序も、仕事も何時もの通りに繰り返されるやうになる。』

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